ハイファイブという社名の由来にもなった「ハイタッチで世界をつなぐ」への情熱は、学生時代の経験にさかのぼります。
学者を志していた大学院時代、研究室に篭りっきりだった反動で、春夏の休校時は世界遺産を撮り歩く旅を満喫していました。観光旅行にしては少し大げさな撮影機材を持ち歩いていたので、旅先では道行く人々にカメラマン役を頼まれ、別れ際には写真をリクエストされました。
相手が喜んでくれるので非常に嬉しく思う半面、当時はフィルムカメラ全盛期だったため、現像と郵送コストの高さは学生身分の私を大いに悩ませました。その解決策として思いついたのが、インターネットを活用した写真配信サービスでした。
それまで個人で楽しむだけに撮影していた写真を、旅先で出会った人々にインターネットを通じて贈ることで、感謝と喜びの声が集まることに感動し、寝食を忘れてウェブサイトを更新する日々が続きました。次第にボイスメッセージ付き写真配信サイトとして誰でも写真を投稿しあえるサービスに改良したことで、バックパッカー達の間で話題となり、さらに多くの人々が世界中から利用してくれるようになりました。
旅先で出会った友人たちが、私の旅行写真を通じて追体験を楽しんでいることや、互いに出会ったこともない人々がウェブサイトを通じて友だちになっていく過程が、私にはとても新鮮でした。国や文化が違えども、互いの経験価値を育みあえる。歩んできた道が異なるほど、その多様性が新たな経験価値をもたらす原材料となる。身体感覚を通じて、その想いを一層強めることとなりました。
その体験から「ハイタッチで世界をつなぐ」事業を次々と形にする手段として、当社を創業しました。その後も事業活動を通じてお客様にたくさんのことを教えていただき、この世界的に知られる「ハイファイブ」という祝福の表現こそが私たちの存在意義であり、追求する事業観や組織像であると気づき、現在の多様なグループ事業の誕生につながっています。
私たちは生活者が必要とする「本当に欲しいサービス」と、世の中の「専門技術やサービス」をマッチングするビジネスプラットフォームの開発を行っています。需要と供給がしっかりと手を結ぶことができる仕組みを整備することで、世にあるべきなのに、まだないサービスをひとつでも多く生み出す機会開発者となりたいと考えています。
世界中の人々が国境や性別、肩書を超えてしあわせの担い手になれるよう、事業活動を通じて一つでも多くの「ハイタッチで、世界をつなぐ。」を実現してまいります。今後ともより一層のご支援をよろしくお願いいたします。
代表取締役
奥田 良忠